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認知症を予防する希望の研究:FINGER試験

2025.06.25

FINGER試験とは?
FINGER試験は、フィンランドで2009年から2011年にかけて行われた、認知症予防のための研究です。60~77歳の方を対象に、2年間のプログラムで生活習慣を改善することで、認知機能(記憶力や注意力など)を保てるかを調べました。この研究は、認知症予防のための世界初の大規模な科学的試験として注目されています。

どこで、誰が実施したの?
場所:フィンランドの6つの地域(ヘルシンキ、ヴァンター、クオピオ、セイナヨキ、トゥルク、オウル)

研究者:フィンランドの国立健康福祉研究所やスウェーデンのカロリンスカ研究所、東フィンランド大学の専門家たち。中心はMiia Kivipelto教授で、栄養や運動、認知症のプロが協力しました。

参加者:認知症のリスクが高い60~77歳の1,260人(フィンランドの一般の方々)

 

どんなプログラムだったの?
参加者は、次の4つの生活習慣を改善するプログラムに参加しました:
バランスの良い食事:野菜や果物、全粒穀物、魚などを中心とした健康的な食事。

運動:定期的な運動で体を動かす。

頭のトレーニング:パズルや学習など、脳を鍛える活動。

血管の健康管理:血圧やコレステロールをチェックし、健康を保つ。

どんな結果が出たの?
プログラムに参加した方は、参加しなかった方に比べて:
全体的な認知機能が約25%向上。

特に注意力、記憶力、複雑な課題をこなす力が良くなった。

認知機能が大きく低下するリスクが約30%減少。

このプログラムは、年齢や性別、遺伝に関係なく効果がありました。さらに、心臓や血管の健康が改善し、体の炎症やストレスが減ることで、脳の働きを支えたと考えられています。

認知症を防げるの?
この研究は2年間と短期間だったため、認知症そのものを防げるかどうかは、さらに長い期間の研究が必要です。現在、世界中でこの方法をさまざまな地域や文化で試す研究が進められています。

あなたにできること
FINGER試験の結果は、毎日の生活習慣を少し整えるだけで、認知症のリスクを下げ、頭の働きを長く保つ可能性があることを示しています。次のような小さな一歩を試してみませんか?
食事:野菜や果物を多めに食べる。

運動:週に数回、散歩や軽い運動をする。

頭の体操:読書や友人との会話などで楽しく脳を刺激する。

健康チェック:定期的に血圧やコレステロールを測る。

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