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アルツハイマー病治療薬レカネマブ(レケンビ)について

2024.01.24

レカネマブはどういう薬?

 アルツハイマー病は脳の中にこのアミロイドβ蛋白というものが異常に蓄積してしまう病気です。レカネマブは、このアミロイドβ蛋白を脳内から除去する働きがあります。それにより病気の進行を抑えることができます。従来の薬剤にはない、病気の原因に直接作用する新しい薬剤です。

私はレカネマブ治療を受けられますか?

  軽度のアルツハイマー病か、アルツハイマー病に基づく軽度認知障害(MCI)のみ適応があります。したがってその2つのいずれかの状態であることを確認してから治療が受けられるかどうかを決定します。さらに、認知機能障害の程度、生活障害の程度に関して厳格な規定がありますので詳細な検討をした上で適応を決めていきます。

 特殊な治療薬のため現時点で近隣でこの治療を行える医療機関は鳥取大学病院に限られます。前述の規定を満たすことがわかれば当院からの紹介状をもって受診してもらいます。さらに大学病院で検査を行い適応に関してふるいわけがなされますので紹介をされたすべての人が治療を受けられるわけではありません。

効果と副作用については?

 レカネマブはアルツハイマー病の原因を取り除く作用がありますが、これで完全に病気がよくなる、あるいは認知機能が改善して元の状態に戻るということではありません。

また、副作用についても気をつけないといけない点があります。脳の血管の周りに水が溜まる浮腫や脳内の微小出血が10-20%に生じます。大半は、無症状で経過しますが、0.6〜0.8%の頻度で、痙攣や意識障害などの重篤な副作用を引き起こすことがあります。

レカネマブ治療の実際

 治療は2週間に1回、1時間程かけて点滴します。通院頻度が多いことも注意を要します。認知機能の低下があるので運転しての通院も控えていただくことが求められます。使用期間は原則1年半です。治療費は自費の場合300万円/年間に診察費、検査代がかかる超高額治療です。しかし保険が適用される上、国の「高額療養費制度」により実際の自己負担は70歳以上の一般所得層で年間14万4000円が上限となります。このような他国にはない充実した保険医療制度のおかげで安心して最新治療を享受していただけます。

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