お知らせ
意識消失発作
2024.11.21
意識と脳
脳は意識を維持するために必要不可欠な器官であり、適切に機能するためには酸素とブドウ糖が一定量必要です。摂取する物質は脳の活動に影響を与え、意識を維持したり低下させたりすることがあります。例えば、カフェインは脳の活動レベルを上げる刺激物で、コーヒー、日本茶、チョコレート、エナジードリンクなどに含まれています。一方で、鎮痛薬や精神安定剤は脳へ抑制的に働き眠気を引き起こしたりします。
脳細胞にダメージを与える病気も意識障害を引き起こす可能性があります。意識障害の最も深刻な状態は昏睡です。
意識低下の症状
意識低下に関連する症状には以下があります:
- けいれん
- 排便・排尿機能の喪失
- バランスの悪化
- 転倒
- 歩行困難
- 失神
- めまい
- 不整脈
- 速い脈拍
- 低血圧
- 発汗
- 発熱
- 顔、腕、脚の筋力低下
意識低下のタイプ
意識障害にはさまざまな段階があります:
- 混乱(Confusion)
明確な思考ができず、判断が不適切になる状態。 - 失見当識(Disorientation)
人、場所、物、時間との関係を理解できなくなる状態。- 最初は現在の状況(例:なぜ病院にいるのか)がわからなくなります。
- 次に時間に対する感覚を失います(例:年、月、日)。
- 場所がわからなくなり、最終的には自分が誰であるかを忘れることもあります。
- せん妄(Delirium)
思考が混乱し非論理的になる状態。せん妄状態の人は方向感覚を失うことが多く、感情が恐怖から怒りまで大きく変動し、激しく興奮することもあります。 - 嗜眠(Lethargy)
眠気に似た状態で、目覚まし時計や火の気配といった刺激に反応しなくなる場合があります。 - 昏迷(Stupor)
痛みを除くほとんどの刺激に反応しない深い意識障害の状態。 - 昏睡(Coma)
最も深刻な意識障害で、痛みを含むすべての刺激に反応できない状態。
意識低下の一般的な原因
- 薬物・アルコール・薬物乱用
- 特定の薬剤
- てんかん
- 低血糖
- 脳卒中
- 脳への酸素不足
その他の原因:
- 脳出血
- 認知症(レビー小体型認知症など)
- 頭部外傷
- 脳腫瘍
- 心疾患
- 熱中症
- 肝疾患
- 尿毒症(腎不全の末期状態)
- ショック(臓器血流が減少することで、酸素の供給量が低下し、それにより臓器不全をきたす病態のこと。一般的に用いられる驚愕反応とは異なる。)
医師の診察で期待されること
診断と治療は、詳細な病歴聴取と身体検査から始まります。特に神経学的評価が重要です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査: 貧血や感染症(髄膜炎、肺炎など)を調べる。
- 毒物検査: 血液や尿から薬物や毒素の有無を確認。
- 電解質検査: ナトリウム、カリウム、クロールのレベルを確認。
- 肝機能検査: 肝臓機能を確認するための検査。
- 脳波検査: 頭皮に電極を取り付けて脳活動を評価。
- 心電図: 心臓の電気的活動を測定。必要に応じて24時間連続測定の場合もあります。
- 胸部X線: 心臓や肺の異常を確認。
- 頭部CT・MRI: 脳の異常(脳卒中、出血、腫瘍など)を調べる。
治療
治療法は原因によります。
- 例えば、脳出血の場合は緊急治療や手術が必要です。
- 一方で、アルツハイマー病のように治療法がない場合は、症状管理や生活の質を維持するための戦略を立てます。
見通し
意識低下は深刻な状態を示す可能性があるため、迅速な医療処置が重要です。適切な治療を早期に受けることで、長期的な予後が改善する可能性があります。